ワンオペで地元愛を貫く塾
1創立と開塾のきっかけについて教えてください。
今年で開校11年目になります。以前は外資の半導体メーカーでエンジニアとして働いていました。ちょうどIT不況の時期に国内の工場が移転・縮小されることになり、私はそこで14年ほど働いた後、新しいことを始めるチャンスとして退職しました。その後、自分が何をしたいのかを半年ほど考えながら過ごしました。その時に雑誌で小中学生に勉強を教える学習塾の経営の話を知り、興味を持ちました。そしてさまざまな調査を重ねた結果、塾を始めることを決めました。
最初は生徒集めにとても苦労しました。最初の3年間は、ポスティングやチラシなどを駆使して必死に宣伝活動を行いました。そこから徐々に生徒が入塾してくれるようになり最近はSNS経由での入塾や、兄弟入塾、口コミも増えてきました。
2規模的なもので差し支えない範囲で教えてください。拠点・教室数、生徒数、スタッフ数、売上など。そろばん教室も運営されていますね?
米沢市門東町に教室があります。観光地で有名や上杉神社から東へ歩いて5分くらいのところにあります。現在、塾の生徒数は30名ほどです。そろばんが20名弱、また小学生にプログラミングも教えています。そろばん以外はすべて私が一人で見ています。
3私は福島県伊達市の出身でしたので、山形県米沢市は国道13号線で度々訪ねていました。地域の教育の特色とか気質などお聞かせください。
塾を始めた当初は、親御さんと生徒が協力して頑張る姿勢が見られましたが、ここ数年は変化があるように感じます。塾は一方では頼りにされている存在かもしれませんが、もう一方では、すべてを塾に任せており、家庭では子どもの勉強に関心がなく、会話もあまりしない親御さんもいます。私は毎回、翌朝に指導報告書をお送りしていますが、保護者に対してもっと子どもが塾で勉強をしていることに関心を持ち、それを話題にしてくださいとお願いしています。これは米沢に限ったことではないかもしれませんが、少子化の影響で高校進学の競争率も低下し、多くの高校が定員割れしています。そのため、塾には中学3年生の夏休み明けや秋以降から入試までの数ヶ月だけ頼むケースも見られます。また、米沢は雪深く、地域の特徴として行動が遅くなる傾向があります。私たちが積極的に働きかけない限り、スタートが遅れることがあります。これでは国際的に通用する力を身につけることはできません。
親は子どもが世界で活躍することに関心を持たないかもしれませんが、子供たちが将来選択肢を持ち、自分の目標を追求できるように、もっと機会を提供するべきだと思います。私は海外留学や外資企業での経験もあり、子どもたちが井の中の蛙にならないようにしたいと思っています。彼らが積極的にさまざまなことに興味を持ち、自分の人生を歩んでいけるように願っています。そのためには、親自身も大きく変わる必要があります。まだまだ親が子どもが勉強できないことを攻めたり、やる気を削ぐ言動が多いです。頑張っている姿をもっと褒めてあげてほしいですね。
4現状の課題と今後の方向性、中期的な目標などお聞かせください。
私は今後も塾を全力で経営し、生徒一人ひとりにじっくりと向き合うつもりです。昨年は生徒数が50名を超えましたが、私自身がアルバイトなどを雇う予定はありません。なぜなら、私が生徒一人ひとりとしっかりと向き合うことが私の目標だからです。
多くの生徒が塾に入ってくる際には、学校の授業についていけなかったり、勉強の方法がわからなかったりすることが多いです。最近では、勉強を教えるだけでなく、生徒が勉強嫌いになった原因を取り除き、やる気を引き出すためのサポートがますます必要になってくると感じています。私はそれにも取り組み、生徒たちが成長するための環境を整えていきたいと考えています。
5新型コロナの影響と対策についてお聞かせください。
幸いなことに、コロナの影響で生徒数に大きな変化はありませんでした。逆に、コロナの時期には受験直前で学校の授業が停止となり、保護者からは塾でサポートしてほしいという要望が寄せられました。リモート授業の検討も行いましたが、保護者の中にはパソコンがなかったり操作方法がわからないという声も多くあり、感染症対策を徹底しながら通常通りの塾の運営を継続しました。
6夢と趣味についてお聞かせください。
週末はよく小学生の子どもとドライブに出かけます。私自身は自然に囲まれた生活をずっと楽しんできましたので、自然を満喫する機会も十分にあります。逆に刺激を求めて都会に出かけ、様々な観光地を巡ることも多いです(笑)。
私は一人で塾を運営しており、いつまで続けられるかはわかりませんが、健康に気をつけながら今後も続けていきたいと思っています。私の仕事の目標は生徒たちが小学生や中学生のうちに勉強嫌いを克服し、自らが勉強する意義を理解し、学習目標に向けて日々努力することができるようサポートすることです。
大学時代の恩師から贈られた言葉に「少年よ大志を抱け」というものがあります。私自身もこの言葉が大好きで、生徒たちにも自分のやりたいことを見つけて、それに向かって一心不乱に努力する姿勢を持ってほしいと思います。今日も子どもたちと一緒に頑張ります!
#米沢市学習塾